深江の菅細工

深江の菅細工

由来・特徴

上町台地の東側に位置する大阪市東成区の深江周辺は、低湿地帯で、古代から良質の菅草が豊かに自生する浪速の一島でした。
約2000年前、その菅を求めて第11代垂仁天皇の御代に大和国笠縫邑(やまとのくにかさぬいむら)より、笠を縫うことを生業とした笠縫一族が深江の地に移住し、 菅笠を作り出したのが深江の菅細工の始まりだと伝えられています。

古来より天皇即位の際に行われる「大嘗祭(だいじょうさい)」や、20年に一度の伊勢の神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)に深江の菅笠が献納されてきました。
今日でも歴代天皇即位・大嘗祭の御菅蓋(ごかんがい)や、神宮式年遷宮の御料菅御笠・御翳(ごりょうすげのおんかさ・おんさしは)として献納しています。

昭和30年代前半には宅地開発が進み、深江菅細工の象徴である深江の菅田がなくなり、 職人も激減し深江の菅細工は存亡の危機になりました。
しかし、この深江の地に伝わる菅細工の技術を守り伝承していこうと深江菅細工保存会を立ち上げ、技術は今日まで大切に受け継がれています。
「技術だけを伝えても意味がない。材料も含め、とことん深江産にこだわりたい」との思いで先人の知恵と技術を継承しています。

会員概要

産地組合

深江菅細工保存会
〒537-0002
大阪市東成区深江南2丁目10-25 笠まるハウス内

HP: http://fukae-suge-zaiku.jp/

担当:笠野 英美
設立:1988年

1999 大阪市指定無形文化財第一号の認定を受ける
2016 大阪府伝統工芸品の指定を受ける

伝統工芸士

大阪府伝統工芸士 3名

受賞歴

1990 平成大嘗祭御菅蓋奉製に従事
1993 第61回伊勢の神宮式年遷宮 御料菅御笠・御翳奉製に従事
2011 POLA賞地域賞受賞
2013 神宮より顕彰状拝受
   第62回伊勢の神宮式年遷宮 御料菅御笠・御翳奉製に従事
2018 第12回読売あをによし賞本賞受賞
2019 令和大嘗祭御菅蓋奉製に従事

主な活動

7月 深江の菅田 刈取り・菅の天日干し
10月 深江の菅田 苗植え
11月 深江歴史文化まつり
   深江小学校4年生菅細工講習会